参加者インタビュー第9弾~自分を見つけるために鉄をたたく
『夢×挑戦ブログ』応援団のアライです。
第9回目の「参加者インタビュー」では、『あたたかくやわらかな鉄』のかじや鉄子さんをご紹介。家業である鍛冶屋さんの仕事に入られてから6年。現在はフックやタオルかけ、ランプベースなどの販売用のアイアン製品・雑貨を作りながら、自分の作品作りにも励んでいるというかじやさんに、いろいろなお話をうかがいました。
――家業の鍛冶屋さんに入られたきっかけを教えてください
かじや鉄子さん(以下、か):ずっとお好み焼き屋をやっていたんですが、長年商売を続けているうちに、「何か別のことをしてみたいな」と思うようになってきたんです。ただ、長年の常連さんもいることですし、そう簡単には店を閉めることができなかったのですが、いろいろなタイミングから、2000年に思い切って鍛冶屋に入ることにしました。
店を閉めるのはやはり簡単なことではありませんでしたが、鍛冶屋の仕事にはすんなり入ることができました。子どもの頃から父の仕事を見てきましたし、五寸釘をたたいて手裏剣みたいな形にしては木に投げて遊んだりしていましたので、馴染みのある世界でした。
――現在はお父様と二人でお仕事をされているんですよね
か:そうです。祖父の代から始まった家業で、父で二代目。兄が三代目だったのですが、1994年に他界してしまいましたので、現在は父と私の二人でやっています。
父は鍛冶屋歴60年以上の大ベテランで、今年で77歳になります。とっても元気で、よく周りの人からびっくりされます。昔から力持ちで有名だったそうで、今でも力のいる仕事を頼まれたりします。父は機械のない時代から自分の手だけで仕事をしてきましたので、ちょっと難しい注文がきても機械に頼ったりせずに何でも自分の手で作ろうとしますね。本当に「うちの父はスゴイ」と思うことがよくあります。一方の兄はすごく細かい人で、2、3ミリの狂いも許さないような人でした。
――夢は「父や兄を超えること」ということですが
か:鍛冶屋の仕事をやればやるほど、自分は父と兄の足元にまったく及ばないということを痛感してしまうんですが…。私はこれまでに美術や工芸の教育を受けたことがありませんし、鍛冶屋の修行をしてきたわけでもありませんから、自分は本当になにも知らない、何もできないということをこの6年間ずっと実感し続けてきました。
でも、何も知らない何もできないというのは、逆に型にはまることなく何でもできる「可能性」でもあるのではないかと考えています。自分のできることは限られていますが、その中で自分だけができることを見つけていき、いつかは父や兄を超えたいと思っています。
――販売用のアイアン製品や雑貨だけでなく、作品作りもされているそうですね
か:自分のできることを模索するということで、お客様向けに製品を作るだけでなく、自分の作りたいものを作るようになりました。昨年の2006年11月に初めての個展を開催し、今年の4月にはグループ展も行いました。11月にはまた自分で企画したグループ展を行う予定です。平日はお客様の注文品や販売用の製品を作っていて、作品作りは主に土日に行っていますので、今から11月に向けて準備を進めているところです。
――自分の作りたい作品を作るようになってから、何か変化はありましたか?
か:最近、自分は「きれいな物」ではなく、どこか「いびつな物」が作りたいんだということがわかってきました。それが「自分」なんだなって、だんだんとわかってきたんです。
「自分を見つける」というのが、作品作りを通しての究極の夢なのかもしれません。父や兄がやってきたことを自分がやっても仕方がないですし、第一自分にはできません。「自分だけができること」を見つけることによって、「自分」というものを見つけていきたいと思っています。
――「自分を見つける」という夢に挑戦し続ける中で、つらかったことはありますか?
か:ないです。作品を作っているときは本当に楽しいですね。鉄をたたいていると、すごく無心になれるんです。昔、一時期釣りをしていたんですが、1時間でも2時間でもピクリともせずに無心に魚を待つことができたんです。鉄をたたいている時はそれに近いですね。無心で楽しい時間です。でも、たたき終わって出来上がったものを見ると、ガッカリしたりするんですが(笑)。
――これからの挑戦を教えてください
か:2004年から出品しているのですが、今年も『工芸都市高岡クラフトコンペティション』という工芸品の公募展に出品する予定です。こちらもそろそろ作品作りを始めようと思っていて、アイデアがひらめくのを待っているところです。教育も受けていない、修行もしていない自分が自信をつけていくには、こういったコンペなどにチャレンジして、評価してもらうことだと思っています。

ブログにはかじやさんが作られたアイアン製品や作品の写真がアップされています。どれも味わい深い製品・作品ばかりなのですが、「自分はまだまだペーペーです」とかじやさん。お父様とお兄様の存在は、かじやさんの中でかなり大きいようです。
※上写真はかじや鉄子さんの作品『ツームォ』。腰の部分に特徴があります。
今後は高岡クラフトコンペ、グループ展が控えており、現在は「ひらめき」を待ちながら準備を進めているとのこと。素晴らしいアイデアがひらめくことを「夢×挑戦ブログ」も期待しております。みなさんもぜひブログでかじやさんの作品をご覧になってください!
□『あたたかくやわらかな鉄』
6月 29, 2007 参加者インタビュー | Permalink
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